アメリカに本拠を置く非営利法人インターナショナル・ゲーミング・スタンダーズ・アソシエーション(International Gaming Standards Association、以下IGSA)は6月2日(太平洋標準時刻)、ゲーム管理システム(Game to System,以下G2S)についてのウェビナー(オンライン・カンファレンス)を開催。「G2Sシステムはどのようにゲーミング産業に価値をもたらしているか?」というテーマに沿い、ゲストスピーカーそれぞれの立場からG2Sのメリットを語った。
G2Sとは、EGM(電子ゲーム機)と自社システムの間で情報を交換するための、IGSA標準の通信プロトコル。ソフトウェアのダウンロード、リモート構成、リモートソフトウェア検証、ネイティブの組み込みプレーヤーユーザーインターフェイス(PUI)など、多くの高度な機能を可能にする。
ゲストスピーカーにゲーミング業界のスペシャリストとして、Paul Burns氏(Atlantic Lotteriesの戦略&マーケティング担当シニアマネジャー)、Erik Karmark氏(Western Canada Lottery CorporationのGaming and Operations担当バイスプレジデント)、Greg Bennett氏(Alberta Gaming Liquor & Cannabisの技術製品&コンプライアンス担当シニアマネジャー)を招へい。IGSAのMark Pace氏(ヨーロッパ担当マネージング・ディレクター)がモデレーターを務めた。
VLT(ビデオ・ロッテリー・ターミナル)とスロットマシンのシステムと機器の統合に携わってきた立場から、Greg Bennett氏は、「G2Sプロトコルはカジノ管理委員会に於いて認証許可を受けており、これを使用することで得られた最大のメリットはゲーム機器に情報をダウンロードできること」だと述べた。
「ゲームのダウンロード、OSのダウンロード、請求書アクセプターのダウンロード、カードリーダー、さらにはプリンター等々。非常に広い管轄地区内のすべての場所に、技術者が物理的に出かけてソフトウェアをアップグレードするとしたら数カ月はかかるであろう作業が、数時間でできる。これによりソフトウェアの更新をより積極的に行うことができる」(Bennett氏)
「ゲームのダウンロード、OSのダウンロード、請求書アクセプターのダウンロード、カードリーダー、さらにはプリンター等々。非常に広い管轄地区内のすべての場所に、技術者が物理的に出かけてソフトウェアをアップグレードするとしたら数カ月はかかるであろう作業が、数時間でできる。これによりソフトウェアの更新をより積極的に行うことができる」(Bennett氏)
マーケティング活動の視点から、Burns氏は「極論すれば、同日の日中と夜でゲームを入れ替えできる」など、リモートダウンロードにより新製品を素早くプレイヤーに提供できるメリットを挙げた。また、Karmark氏は「G2Sによって収集できる膨大な情報を活用することにより、州規制に則してSASではできない、従来にない方法でスロットマシンのパフォーマンスの分析ができる」と語った。
左上から時計回りに:Mark Pace氏、Paul Burns氏、Erik Karmark氏、Greg Bennett氏 |
IGSAは1998年に設立されたゲ-ミング産業界における各種の規格・標準(Standards)の策定を推進する国際的な団体。昨年、北米、ヨーロッパ、マカオに次ぐ拠点として日本支部を開設。日本に統合型リゾート(IR)が導入された場合に誕生するカジノ産業の標準について、政府への提言、ゲーミング関連機器メーカー等への情報提供を行う。
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