統合型リゾート(IR)の誘致を目指し、選定した事業者と共同し区域整備計画を作成してきた和歌山県は、4月28日が期限となっている国への区域認定申請を断念した。 4月20日に開催された県本議会で、区域整備計画を国に申請する議案が賛成18人、反対22人で否決された。その前日に開催された県IR対策特別委員会も、区域整備計画を国に申請する議案を反対多数で否決していた。特別委員会でも本会議でも、「IR事業者の資金調達計画が不確実」「協力企業についての情報の開示が不十分」といった批判がなされていた。 もともとIR導入に賛成派だった議員や経済界も今回の整備計画申請に関して反対派にまわった背景には、IR導入を実現する別のシナリオも一因だ。それは、「今回のCNV案は国土交通省で不合格になるはず。それを提出してしまうと、2次募集があった時に和歌山がこれに再チャレンジする機会を失う。よって、今回は申請しない方が良い」というもの。 県とIR事業者クレアベストニームベンチャーズ(CNV)の資金調達は、初期投資額4700億円の30%である約1450億円を出資(CNVが27.5%、Clairvest Group Inc.が27.5%、シーザーズ・エンターテインメントが5%、少数株主が40%)し、70%の約3250億円を借り入れる計画。借り入れはクレディ・スイスがアレンジャー(MLA=ファイナンス組成をリードする金融機関)として国内外の金融機関と交渉する予定だった。 仁坂知事は県議会冒頭の一般質問に、「これまで計4回にわたり開催されたIR対策特別委員会において、事業計画を実現するうえで核となる資金計画の内容が不透明である、とのご指摘を頂き、私自身もそのご指摘は尤もであると考えまして、事業者に対し直接対話をし、県議会のご指摘などを説き、より確実性の高い資金計画を示すよう強く求めてきました」としたうえで、結果的には「資金計画も充実し、十分国の審査に耐えられるようになっていると私は思います」と述べていた。 県議会で整備計画の申請が否決されたことについては、「経済、雇用の力もまだまだ十分でなく人口の減少も大きい和歌山を反転攻勢に転ずるエンジンを形成するということができなくなりました」「何とか国へ申請しても恥ずかしくないようここまで持ってきたのに残念」と語るとともに、「ここまで推進し
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