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和歌山県 統合型リゾート事業者公募 クレアベストを優先権者候補に決定

和歌山マリーナシティにおいて特定複合観光施設(いわゆる統合型リゾート:IR)の設置運営事業者の公募・選定手続きを進めてきた和歌山県は6月2日、クレアベストニームベンチャーズ株式会社及びClairvest Group Inc.のコンソーシアムを優先権者候補に決定したと公表した。
事業者公募には期日である昨年4月30日までにクレアベストニームベンチャーズ(以下、クレアベスト)とサンシティグループホールディングスジャパン(以下、サンシティ)の2者が参加資格審査書類を提出したが、今年5月12日にサンシティが事業者公募からの撤退を表明した。
応募事業者がクレアベスト1者になったことで、仁坂県知事は18日の記者会見で、事業者を選ばずにIR誘致を断念する可能性もあると言及していたが、最終的には計画の実現を目指す決断をした。
県によると、県が設置した事業者選定委員会は3回の提案審査を行うとともに、これと併行して、カジノ事業の免許の基準を踏まえ適格性を確認するための予備調査を実施済み。4月30日に同委員会は、クレアベストよりサンシティの評価点が高いと報告していた。
今後、県は和歌山市及び和歌山県公安委員会との協議を経て、優先権者を選定する。

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