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IR開発コンサルタント 日本の雇用政策に懸念 IR industry consultant Niall Murray showed concerns with lack of low‐salaried manpower for Japan IR.

マカオの在マカオフランス商工会議所(France Macau Chamber of Commerce)で11月27日に開かれたイベントで、IRの開発・運営コンサルタントのナイル・マーレイ(Niall Murray)氏が、「日本 ~統合型リゾート出ずる国」(Japan – The Land of the Rising Integrated Resorts)と題した講演をして、日本でのIR導入プロセスに関する課題ついて語った。
マーレイ氏が特に指摘したのは、日本政府がマカオ政府と同様に、外国人の雇用に制限をかけるようIRオペレーターに圧力をかける可能性。
マーレイ氏は2004年にラスベガス・サンズの上級幹部として「サンズ・マカオ」の開業にかかわったことを振り返り、「私たちはマカオ政府に対して従業員の87%をマカオ人にすることをコミットし、彼らにとって良い仕事を確保した」と説明。
そして、「日本がマカオやシンガポールで採用されているよい雇用政策を導入することを期待している。地元の人を優遇し、高い賃金の仕事を提供すべき」( We believe they will follow Singapore and Macau, giving locals first preference. They’ll get the higher paying jobs.)としながらも、それほど高い賃金が支払われない清掃やメンテナンス要員などの仕事には需給のギャップが生まれ人手不足が生まれる指摘。
「我々マカオのIR産業はいまだにこの問題を抱えている。日本はこの問題が起こる前に法律に実践的な解決策を組み込むべき。そういう賃金の低い仕事を担う人たちが(海外から)日本に働きに行けるよう、外国人雇用を緩和する法律が導入されることを期待する」(We’re still having challenges here, so they need to build practicle solutions into the law early on to ease the process.)と述べた。
この発言の背景には、IRに関連する仕事への厳しい外国人雇用制限によって、マカオの失業率が極めて低い(1・7%)ということがある。このためマカオのIR事業者は、清掃やメンテナンスなどの仕事の採用が非常に困難な状況が続いている。日本ではすでにブルーカラー職で人手不足が起こっている。IRが開業すればその地域でのブルーカラー職や外食、小売りの現場で人手不足が深刻化する可能性がある。

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