統合型リゾート(IR)は、2025年頃の開業を目指して議論やプロセスが進められている。IRにはどんな可能性があり、どういう問題が懸念されているのかを若者に考えてもらう学術イベントが渋谷で開催された。
国内に最大3カ所造られる予定の統合型リゾート(IR)は、3つ合わせた総建設費が2兆円を超えるといわれる、巨額の民間投資を呼び込む国家プロジェクト。この開発、運営には多岐にわたる分野の最先端のテクノロジーが採り入れられ、持続発展可能な地域開発事業となることが期待されている。
政府や誘致自治体、参入意向を示す事業者などではさまざまな議論がなされてきたが、次代を担う若者に理解が進んでいるとは言い難い。そこで、IRとは何か、どんな問題があり、どう解決していくのかなどを識者に解説してもらいながら、学生たちが考える場として11月26日にワークショップが開催された。
「未来からのクエスチョン 統合型リゾートが科学技術進展や社会課題解決に繋がるか?」と題されたイベントが開催されたのは、開業間もない渋谷スクランブルスクエア東棟15階にある会員制の“未来共創施設”、SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)。
早稲田大学で将来のアントレプレナーやイントレプレナーを育成するWASEDA-EDGE人材育成プログラムに取り組む朝日透教授(早稲田大学理工学術院 先進理工学部・先進理工学研究科)が進行役を務め、3人のゲストスピーカーによる講演、質疑応答セッションが行われた。
初めにKPMGジャパン IRアドバイザリーグループの丸田健太郎氏が、海外事例を交えながらIRがどういうものか、日本で導入されることになった背景、どのようなプロセスで開業に至るかなどを説明。続いて精神科医で一般社団法人JSRG代表理事の西村直之氏は、IR導入によって期待できることがある反面、負のインパクトもあると説明した。
西村代表は、「懸念事項としてギャンブル依存症が挙げられることが多いがそれだけではない」として、フリクション(人・文化・様式の違いによる摩擦)、ミスマッチ(様々な不一致)、ギャップ&クラック(ズレと亀裂:所得格差など)、レスポンシビリティ(責任)を挙げ、「IRができることで、これまでになかった課題に日本は直面することになる。これらの課題の解決法を新しい視点・発想で創造することが、これから重要になってくる」と説いた。
ギャンブル依存問題については、そのリスクを減少させるために、「健康でレジリエンス(ストレスに対する弾力性)の高い若者たちの育成、そういう若者が育つ環境の整備という視点も必要」だとし、若者の所得の向上、教育・健康・福祉インフラの整備、人口の増加などを例に挙げた。
最後に一般社団法人日本IR協会の中山彩子代表理事が、アメリカのIR産業が取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)に関連する事例を挙げながら、日本版IRもSDGsの達成に寄与する可能性があると述べた。中山代表は、地方創生SDGs官民連携プラットフォームに加盟し「SDGs×IR」に関する取組みを促進する活動も行っている。
参加者は早稲田大学の学生を中心に約40人。質疑応答セッションでは、「IRを誘致した都市には人材が集まり、また質の高い教育を受けられることになるだろうが、これが格差を生み、IRのない地域は後れを取っていくのではないか」など多くの質問が挙がった。
国内に最大3カ所造られる予定の統合型リゾート(IR)は、3つ合わせた総建設費が2兆円を超えるといわれる、巨額の民間投資を呼び込む国家プロジェクト。この開発、運営には多岐にわたる分野の最先端のテクノロジーが採り入れられ、持続発展可能な地域開発事業となることが期待されている。
政府や誘致自治体、参入意向を示す事業者などではさまざまな議論がなされてきたが、次代を担う若者に理解が進んでいるとは言い難い。そこで、IRとは何か、どんな問題があり、どう解決していくのかなどを識者に解説してもらいながら、学生たちが考える場として11月26日にワークショップが開催された。
「未来からのクエスチョン 統合型リゾートが科学技術進展や社会課題解決に繋がるか?」と題されたイベントが開催されたのは、開業間もない渋谷スクランブルスクエア東棟15階にある会員制の“未来共創施設”、SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)。
早稲田大学で将来のアントレプレナーやイントレプレナーを育成するWASEDA-EDGE人材育成プログラムに取り組む朝日透教授(早稲田大学理工学術院 先進理工学部・先進理工学研究科)が進行役を務め、3人のゲストスピーカーによる講演、質疑応答セッションが行われた。
初めにKPMGジャパン IRアドバイザリーグループの丸田健太郎氏が、海外事例を交えながらIRがどういうものか、日本で導入されることになった背景、どのようなプロセスで開業に至るかなどを説明。続いて精神科医で一般社団法人JSRG代表理事の西村直之氏は、IR導入によって期待できることがある反面、負のインパクトもあると説明した。
西村代表は、「懸念事項としてギャンブル依存症が挙げられることが多いがそれだけではない」として、フリクション(人・文化・様式の違いによる摩擦)、ミスマッチ(様々な不一致)、ギャップ&クラック(ズレと亀裂:所得格差など)、レスポンシビリティ(責任)を挙げ、「IRができることで、これまでになかった課題に日本は直面することになる。これらの課題の解決法を新しい視点・発想で創造することが、これから重要になってくる」と説いた。
ギャンブル依存問題については、そのリスクを減少させるために、「健康でレジリエンス(ストレスに対する弾力性)の高い若者たちの育成、そういう若者が育つ環境の整備という視点も必要」だとし、若者の所得の向上、教育・健康・福祉インフラの整備、人口の増加などを例に挙げた。
最後に一般社団法人日本IR協会の中山彩子代表理事が、アメリカのIR産業が取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)に関連する事例を挙げながら、日本版IRもSDGsの達成に寄与する可能性があると述べた。中山代表は、地方創生SDGs官民連携プラットフォームに加盟し「SDGs×IR」に関する取組みを促進する活動も行っている。
参加者は早稲田大学の学生を中心に約40人。質疑応答セッションでは、「IRを誘致した都市には人材が集まり、また質の高い教育を受けられることになるだろうが、これが格差を生み、IRのない地域は後れを取っていくのではないか」など多くの質問が挙がった。
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