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国際ゲーミング・スタンダーズ協会 年次総会開催 「2021年は転換の年」

ゲーミング産業の技術標準策定の推進団体である国際ゲーミング・スタンダーズ協会(International Gaming Standards Association:IGSA)は12月10日、年次総会を開催した。1998年の設立から22回目となる総会は、COVID-19感染拡大の状況を鑑みオンラインでの開催となった。

2020年のハイライトを説明したマーク・ペース(Mark Pace)副代表理事兼IGSAヨーロッパのマネージング・ディレクターは、「新型コロナ禍で特にランドベースカジノが大きな打撃を受けた1年だが、そんな中でも我々は新たな提携、新たな製品、新たな標準(オンラインゲーミングに関するもの)を生み出すことができ、新たなメンバーを迎えた」と振り返った。

特に大きなことは、2020年10月26日発表された、各地のゲーミング規制管理機関の国際的な連携組織であるInternational Association of Gaming Regulators(IAGR)との戦略的提携だ。IGSAとIAGRは定期的に意見交換をしながら、ゲーミング規制における技術と標準の効果的な活用の推進に取り組む。

また、2020年はアメリカ本部、ヨーロッパ支部(マルタ共和国)、マカオ特別行政区に次ぐ4つめの拠点として日本事務所を開設し、組織名をゲーミング・スタンダーズ協会(GSA)から国際ゲーミング・スタンダーズ協会(IGSA)に改称した。

2021 IS A YEAR OF PIVOTAL CHANGE


ピーター・ドゥレット(Peter DeRaedt)代表理事は、2021年を極めて大きな転換の年だとして、「スポーツベッティング市場の加速(Acceleration of Sports Betting)」「通貨のデジタル化(Currency Digitalization)」「分野をまたいだM&A(Cross segment mergers and acquisitions)」の3点を挙げ展望を述べた。

まず、「COVID-19パンデミック禍によって、かねてより感じていた、特にアメリカにおけるオンラインゲーミングとスポーツベッティングのランドベース・ゲーミング産業との融合化というトレンドが大きく加速したと認識している」と語った後、多くの時間を通貨のデジタル化への言及に割いた。

「ゲーミングの『決済のデジタル化』は規制機関によるより効果的な監視を可能にし、KYCプロセス(Know Your Customer=対マネーロンダリング等を意識した取引相手や顧客の素性確認・本人確認)はより重要な役割を果たすことになるだろう。プレイヤーはカジノ施設内で自身のモバイルウォレットから電子ゲームにお金を投入できるようになる。また、ゲーミング規則管理においては、レスポンシブルゲーミング(ゲーミングに関わるそれぞれの者の責任)、AML機能(AML capabilities=マネーロンダリング防止対策機能)が進展する一方、我々のゲストのゲーミング体験をより充実させるだろう」(Peter DeRaedt代表理事)

年次総会の締めくくりには、提携することになったIAGRのジェイソン・レーン(Jason Lane)副代表理事による基調講演が行われた。


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