中国国営通信社「Xinhua News Agency」(=新華網/日本では新華社通信と呼ばれている)の1月26日付けの報道によると、中華人民共和国文化観光部(Ministry of Culture and Tourism, MCT)は同日、中国人のギャンブル目的の海外渡航先ブラックリストにいくつかの国を追加すると発表。それと同時にMCTは、このリストにある海外の都市に向かう中国国民に対して、旅行制限を課すと付け加えた。
昨年12月には、ギャンブル目的で中国本土の中国人を募集することを犯罪行為とみなす刑法改正が承認されており、これが3月1日に施行される。これに加えてギャンブル目的の渡航を規制することで「中国国民の生命と財産を保護する」という。
これにより、対象国とされた国では、COVID-19が収束した後のカジノ産業、観光産業の回復に大きな影響がでることは避けられない。また将来、ブラックリストに日本が加えられる可能性も否定できないことから、日本で進められている統合型リゾート(IR)の事業計画も、これをリスクとして織り込む必要があるだろう。その一方で、マカオ特別行政区のカジノ産業は急速な回復が期待される。
「ブラックリスト」(blacklist system for cross-border gambling tourist destinations)はMCT、外務省、公安を含む複数の部門の連携により2020年8月に作成されたもので、主として中国人を引き付ける目的でカジノ営業が行われている近隣国が挙げられているという。 カジノ産業メディアGGRASIAは投資アナリストの見解を引用し、このブラックリスト対象国がカンボジア、ベトナム、フィリピンなど東南アジアの新興カジノ経済区およびオーストラリアだろうとしている。
by Tsuyoshi Tanaka
[参考]
新華網:China to blacklist more overseas gambling destinations
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