アメリカンゲーミング協会(American Gaming Association)によると、全米のコマーシャルカジノの2021年第1四半期(1月から3月末)は業績の回復傾向が鮮明になり、総ゲーミング収益(GGR)は2020年第4四半期から21.1%増加し$11.13B(=約1兆2130億円)だった。COVID-19パンデミックが発生した前年同期を17.7%上回り、パンデミック前である2019年同期を4.1%上回った。なお、パンデミックによりカジノ施設が閉鎖されたのは昨年3月。
業績の回復をけん引しているのは明らかにスポーツベッティングとiGamingだ。2019年同期比の業績を部門ごとに見ると、スロットは4.0%減、テーブルゲームは22.7%減、スポーツベッティングは450.6%増、iGamingは644.8%増。ゲーミング収益の6割を占めるスロットマシンに比べると、スポーツベッティングの占める割合は8.6%($961.1M)、iGamingは7%($784.5M)にすぎないが、その市場拡大は顕著だ。スポーツベッティングは現在、27の州で合法化され、うち21の州でサービスが提供されている。
AGAのビル・ミラーCEOはこの統計について、「ゲーミング産業の回復は想定よりも速いペース」とコメントしている。
ワクチン接種が進む中、人々の移動も活性化している。世界のホスピタリティ産業のベンチマーキングサービスを提供しているSTR(ホテルについては世界の6万7000軒以上のデータを収集)によると、米国のホテル稼働率は3月に昨年3月上旬以来の高水準の58.9%となり、2019年同時期の85%に達した。1日あたりの平均宿泊料金(ADR)も改善し$108.07となり、2019年同時期の81%に達した。
またカジノ産業においては5月に入り、MGMリゾーツが米ラスベガス・ストリップ地区で運営する9つのカジノ施設が、ゲーミング規制当局から、ゲーミングフロア面積の稼働を100%に戻す承認を得た。ゲーミングフロアの使用面積制限の解除は、同社が従業員へのワクチン接種を進めたことに基づく。
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