セガサミーホールディングスが発表した第1四半期(4月1日から6月30日)業績によると、売上高は前年同期より33.5%減少し483億8200万円、営業損失は38億5100万円、経常損失は40億9900万円だった。
遊技機事業においてはパチンコ機、パチスロ機のいずれも新作タイトルの販売がなく、販売台数はパチンコ機177台、パチスロ機485台にとどまった。これらの結果、セグメント売上高は27億600万円(前年同期比84.3%減)。
リゾート事業においては、COVID-19拡大防止のため『フェニックス・シーガイア・リゾート』を休業したことで利用者数が前年同期比76.7%減と大きく落ち込んだ。また、日本国内におけるIR参入に向けた費用が発生。海外においては、韓国・仁川で運営する統合型リゾート『Paradise City』のカジノ施設の1月から3月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)が前年同期比で10.8%減、カジノ来場者数が同19.5%減。※『Paradise City』を運営するPARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3カ月遅れで計上
以上の結果、リゾート事業の売上高は前年同期比81.1減の4億6400万円、経常損失は21億3500万円となった。
『Paradise City』のカジノ施設が本格的にCOVID-19の影響を受け始めたのは3月に入ってから。3月以降は渡航制限に伴い日本や中国からのVIP客の訪問が困難になったほか、施設が休業対応を行った。4月以降は日本と中国のVIP客はほとんど来場しておらず、これにより4月から6月のドロップ額は前年同期の5分の1程度に減少している。この業績はセガサミーホールディングスの第2四半期業績に反映されることになる。
多額のお金を消費してくれる外国人客の誘致により経済を活性化させるため、また、違法ギャンブルビジネスへの消費の流出を防ぐために、タイ王国は、カジノを含む大規模な複合娯楽施設(Entertainment Complexesと呼ばれている)を開設する法律的な準備(=カジノ合法化)を進めている。3月28日の下院では出席議員257人中253人が賛成票を投じ、この結果が内閣に送られた。そもそもタイ国王(ラーマ10世)が非常に前向きらしいので、カジノ合法化はほぼ確実とみられている。 日本のカジノ合法化議論の起点をどこと捉えるかは、いろんな見方があるだろうけど、個人的には、石原都知事の「お台場カジノ構想」発表(2002年)によって火が付いたと思っている。だとすると、IR推進法成立(2016年)まで14年もかかったことになる。IR実施法成立(2018年)から国内IR第1号の夢洲IRの開業予定時期(2030年)まで12年もかかる見込み。 こういった日本の状況を振り返り、「タイに実際にカジノを含む複合娯楽施設が開業するのはずっと先のことでしょ?」と思う人もいるかもしれない。しかし、日本の進みの遅さが異常なのであって、タイのカジノは、あっという間にできるだろう。3~4年もかからない。なんせ、タイのセター政権は、法律が成立したら「2年以内にオープンさせる」という目標を掲げているのだから。 そしてタイ労働省は、この複合施設(複数)開設による雇用創出を「少なくとも5万人」と見込んでいる。日本で構想されているIRよりも小型の施設が想定されているため、この雇用者数見込みから逆算すると合計施設数は6~8施設を念頭に置いているのだろう。 立地として目されているのは、国際空港から半径100km圏あるいは特定の観光地域、国境(入国検問所)の近く。地元メディアが例として挙げた地名は、南部ならPhuket(プーケット), Phangnga(パンガー), Krabi(クラビ), 北部ならChiang Mai(チェンマイ), Chiang Rai(チェンライ), Phayao(パヤオ)。 text Tsuyoshi Tanaka
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