2019年も残り4日と数時間。遊技業界の重大ニュースの振り返りはすでに記事にした(週刊Amusement Japan 12/9号)ので、日本のIR開業プロセスに関する重大な出来事を振り返ってみます。(aouthor Tsuyoshi Tanaka)
IR整備法施行令(案)公表
2月にIR整備法の「施行令(案)」が公表され、IRの中核施設の具体的な基準・要件の数値が明らかになりました。これによって改めて分かったのは、政府が非常に大きなMICE施設を要求しているということです。「地方都市でこんなに大規模なMICE施設を年間を通じて稼働させられるのだろうか?(=大型の国際会議・展示会を次々と誘致できるのか)」という疑問を抱かざるを得ません。
基本方針(案)公表
9月には観光庁が、IR整備のための「基本方針(案)」を公表しましたが、その冒頭には「IR整備の意義」として、" 国際的なMICEビジネスを展開し、日本の魅力を発信して世界中から観光客を集め、来訪客を国内各地に送り出すことにより、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光」を実現。"とあります。シンガポールに大きく差をつけられている国際会議・展示会を増やし、ビジネスツーリストを呼び込みたいという考えです。なぜなら、ビジネスツーリストは滞在地での消費額が多いからです。
この「基本方針(案)」でもっとも重要な箇所は、認定審査の基準・審査のプロセス、要求水準でしょう。認定の申請期間は「検討中」として記載されませんでしたが、11月に、<2021年1月4日から2021年7月30日>とする案が公表されました。
横浜市が誘致表明、北海道が誘致見送り表明
誘致を目指す自治体の動きについては、やはり、横浜市の林文子市長がIR誘致を正式に表明した(8月)こと、北海道の鈴木直道知事がIR誘致を見送ると表明した(12月)ことの2つは非常に大きなインパクトがありました。個人的には、鈴木知事がこんなに早いタイミングで、第一次の区域認定申請を「見送る」と決断するとは思いもしませんでした。
サンズ、メルコが大阪から撤退
横浜市の表明は、ラスベガス・サンズ、メルコリゾーツ、ウィンなどの主要オペレーターに、大阪での競争からの離脱を決断させました。大阪府・市が4月25日から8月まで実施したRFCにはそれらをふくむ7社が参加申請をしていましたが、期日までに応募したのはMGMリゾーツ+オリックス、ギャラクシー、ゲンティン・シンガポールの3者のみになりました。
海外の出来事
これに加えて、間接的に影響があるとして、シンガポールの2つのIR施設(MBS、RWS)がそれぞれ3700億円の追加投資を政府と合意したことも大きなことだと思います。MBSを運営するラスベガス・サンズもRWSを運営するゲンティン(厳密にはこれらの子会社が運営している)も、日本への参入を目指しているわけですが、シンガポール政府としては、両社にシンガポールの施設に大きな追加を投資させ、将来のライバル(=日本のIR)に備えておこうという意味もあるはずです。
もうひとつは、マカオ政府が3月にSJMとMGMのコンセッション(カジノ営業権)期限の延期を認めたこと。他の4社の期限が2022年までだったのに対して、SJMとMGMの期限は2020年までだったのです。この不合理性はかねてから、いずれ問題になると指摘されていましたので、サプライズというほどの出来事ではなかったと思います。しかしMGMにとっては、コンセッションが2022年6月まで延期されたことで、日本のIR入札時に、" マカオで2つのIRを運営している "という実績をアピールできることが確実になったという意味があります。
上記の他にも、シーザーズエンターテインメントの日本撤退、ハウステンボス社の「長崎のIR運営にかかわる考えはない」発言なども、大きなことだったと思います。
IR整備法施行令(案)公表
2月にIR整備法の「施行令(案)」が公表され、IRの中核施設の具体的な基準・要件の数値が明らかになりました。これによって改めて分かったのは、政府が非常に大きなMICE施設を要求しているということです。「地方都市でこんなに大規模なMICE施設を年間を通じて稼働させられるのだろうか?(=大型の国際会議・展示会を次々と誘致できるのか)」という疑問を抱かざるを得ません。
基本方針(案)公表
9月には観光庁が、IR整備のための「基本方針(案)」を公表しましたが、その冒頭には「IR整備の意義」として、" 国際的なMICEビジネスを展開し、日本の魅力を発信して世界中から観光客を集め、来訪客を国内各地に送り出すことにより、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光」を実現。"とあります。シンガポールに大きく差をつけられている国際会議・展示会を増やし、ビジネスツーリストを呼び込みたいという考えです。なぜなら、ビジネスツーリストは滞在地での消費額が多いからです。
この「基本方針(案)」でもっとも重要な箇所は、認定審査の基準・審査のプロセス、要求水準でしょう。認定の申請期間は「検討中」として記載されませんでしたが、11月に、<2021年1月4日から2021年7月30日>とする案が公表されました。
横浜市が誘致表明、北海道が誘致見送り表明
誘致を目指す自治体の動きについては、やはり、横浜市の林文子市長がIR誘致を正式に表明した(8月)こと、北海道の鈴木直道知事がIR誘致を見送ると表明した(12月)ことの2つは非常に大きなインパクトがありました。個人的には、鈴木知事がこんなに早いタイミングで、第一次の区域認定申請を「見送る」と決断するとは思いもしませんでした。
サンズ、メルコが大阪から撤退
横浜市の表明は、ラスベガス・サンズ、メルコリゾーツ、ウィンなどの主要オペレーターに、大阪での競争からの離脱を決断させました。大阪府・市が4月25日から8月まで実施したRFCにはそれらをふくむ7社が参加申請をしていましたが、期日までに応募したのはMGMリゾーツ+オリックス、ギャラクシー、ゲンティン・シンガポールの3者のみになりました。
秋元議員逮捕
IR整備法の成立に大きくかかわった、前IR担当副大臣である秋元司衆議院議員(自民)の逮捕が連日報じられています。中国オンラインゲーミング企業から、便宜を図る見返りとして賄賂を受け取った容疑です。早期の解明を望みます。
これに加えて、間接的に影響があるとして、シンガポールの2つのIR施設(MBS、RWS)がそれぞれ3700億円の追加投資を政府と合意したことも大きなことだと思います。MBSを運営するラスベガス・サンズもRWSを運営するゲンティン(厳密にはこれらの子会社が運営している)も、日本への参入を目指しているわけですが、シンガポール政府としては、両社にシンガポールの施設に大きな追加を投資させ、将来のライバル(=日本のIR)に備えておこうという意味もあるはずです。
もうひとつは、マカオ政府が3月にSJMとMGMのコンセッション(カジノ営業権)期限の延期を認めたこと。他の4社の期限が2022年までだったのに対して、SJMとMGMの期限は2020年までだったのです。この不合理性はかねてから、いずれ問題になると指摘されていましたので、サプライズというほどの出来事ではなかったと思います。しかしMGMにとっては、コンセッションが2022年6月まで延期されたことで、日本のIR入札時に、" マカオで2つのIRを運営している "という実績をアピールできることが確実になったという意味があります。
上記の他にも、シーザーズエンターテインメントの日本撤退、ハウステンボス社の「長崎のIR運営にかかわる考えはない」発言なども、大きなことだったと思います。
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