スキップしてメイン コンテンツに移動

現場から経営幹部を目指す人へのアドバイス  How to Build A Strong Career in Gaming Industry

フランシスコ・ヴィダル 元アドミラル・カジノ・スペインCOO
by Francisco Javier Vidal Caamaño  Former COO - Director of Operations ADMIRAL CASINOS SPAIN

私は昨年、ヨーロッパ有数のゲーミング企業NOVOMATIC GROUPのスペイン法人アドミラル・カジノ・スペインで、COOとしてカジノ施設を運営しながら、新規施設の開業準備を進めていました。アドミラル・カジノ・スペインの3つめのカジノ施設「Casino Admiral Granada」は11月29日に無事に開業しました。ここで私は仕事に一区切りをつけて、大学に戻ることにしました。ちょうどよい機会ですので、ゲーミング産業でのキャリアを振り返りながら、若い方々へのアドバイスをお伝えしたいと思います。
 「ゲーミング業界で強固なキャリアを築く健全な方法は?」。私はしばしばこういった質問を受けますが、大学を卒業して1990年代の後半にカジノディーラーとしてスタートし、ヨーロッパ圏の主要カジノオペレーターのスペイン市場でのCOOになるまでの私の道のりは伝統的なものだったと言えます。ディーラーからCOOになるまでには、少なくとも8つの職位の階段を上らなければなりません。一般的には、Casino Dealer、Casino Supervisor、Pit Boss、Floor Manager、Deputy Manager (number 2 of the casino)、Casino Manager、Director of Operations (Gaming) 、COOです。
 とはいえ、一部の人間がカジノフロアでの業務というタフな仕事を回避して幹部の地位にスピード出世するケースを多々見てきました。こうした幹部のうち、称賛に値する人物はごく一部で、彼らの大半は結局は行き詰まります。同僚や部下から尊敬を得られないという過ちを犯すのです。しかも彼らは、顧客が何に満足を感じるかといったことを体感していないため、判断ミスをして周囲を混乱させます。
 若い世代は、スマホで必要なものすべてを手に入れるのに慣れているので、忍耐力がありません。伝統、長年続いた慣習をいとも簡単に無視します。それが今風だということを、私も知っています。しかし長い時間をかけて強く根を張るからこそ、強い木が成長するのです。ゲーミング業界で成功を収めたいと願っている人への私のアドバイスはこうです。
 現場仕事から初めて、裏側と表側を学び、やり取りのコツをつかみ、何年か深夜シフトの大変さを経験すべきです。夜10時や11時から始まる深夜シフトは、世間一般の人々とは真反対の生活ですが、カジノのビジネスのほとんどが発生する時間帯です。そして、目指すキャリアに沿って仕事仲間の強固なネットワークを構築するのです。最終的には同僚の参考になり、ゲーミング産業の真のリーダーになるのです。
 私がよく受けるもうひとつの質問は、「カジノビジネスは過去25年間にどのように進化しましたか?」です。幸いなことに、多くの変化がありました。個人の見解が支配していた領域に、いまはデータがあります。迷信が支配していた領域に、いまは科学があります。この変化は、知的にオープンな人間にとって、ゲーミング業界をさらに面白い仕事場にしました。
 「知的にオープンな人」とは、物事がどのように行われているかを疑問視し、現状に挑戦するために常に新たな方法を試みようとし、昔ながらの問題を解決するための新しい創造的な方法を探している人です。そういう人は古い慣習に囚われません。
 私が刺激を受けた知的でオープンな人の好例は、現在スペインのカCasino Palma de MallorcaのジェネラルマネージャーであるAntonio Sanchez氏です。彼はいま58歳ですが非常に革新的で創造的なマネージャーであり、2005年に私のボスでした。
 デジタル世界との競争の激化に伴い、(オンライン上でなく)昔ながらのランドベースカジノで、顧客が忘れがたい体験を創造し提供することは我々が念頭に置かなければならない課題になりました。人々に家を離れる理由を与えるのは実に難しいことです。しかしながら、それこそがランドベースカジノ業界で働こうとやってくる人の最も関心のあることのひとつでしょう。だからこそ、業界はより非日常的でより創造的、つまり魅力的になっているのです。
 ・ ・ ・
(プロフィール)
元アドミラル・カジノ・スペイン(NOVOMATIC GROUP)COO。オペレーションディレクターとして、マーケティング、F&B、IT、HR、セキュリティー&サべーランス、会計監査、ゲーミングオペレーションの指揮を執りながら、昨年11月末には「Casino Admiral Granada」をグランドオープンさせた。
1994年にスペインのUSC(University of Santiago de Compostela)経済・経営学部卒業後、カジノディーラーとしてゲーミング業界のキャリアをスタート。ロンドン(Grosvernor Casino)、ラスベガス(Luxor Casino)で2年間勤務後、スペインのレジャー企業GROUP COMARに移りカジノフロアマネジャー、オペレーションマネジャーとして経験を積む。CRISAでオペレーションディレクターを務めた後、複数のカジノ企業を経て2019年1月から現職。この間、Pontifical Catholic UniversityでMBAを取得したほかネバダ大学リノ校ほか複数の大学のビジネスプロフラムを修了。
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
  I´ve been often asked which is the healthy way to build a strong career in the gaming industry, in my case I did it the traditional way, I started as a casino dealer in the late 90s till my current position of COO for the Spanish market in one of the main casino operators in Europe, so more or less you need to get at least 8 upward promotions to get to that level. Generally these positions are Casino Dealer, Casino Supervisor, Pit Boss, Floor Manager, Deputy Manager (number 2 of the casino), Casino Manager, Director of Operations (Gaming) and COO.
  I have seen many cases over the years in which some executives reach the top positions avoiding the tough phase of working the floor in casino operations, but eventually, what finally happens is that they commit obvious mistakes, they don´t get the respect of their collaborators. And even more relevant, they don´t know what the customers prefer, so they end up confusing everyone with their decisions; a few of them have survived and almost none of them are really admired by their peers.
  I know that the younger generations are used to get everything that they want at the touch of their fingertips, so they don´t have any patience, these days’ traditions and history are ignored too often. It is the sign of the current times, but strong trees grow today as they have grown many centuries before, with strong roots. So that´s my piece of advice for anyone that wants to have a successful career in the casino industry, start at the bottom, learn the ins and outs, the tricks of the trade, feel in your flesh the long nights, develop a strong network of associates along the way, and in the end you´ll become a reference to your colleagues, a true leader of the gaming industry.
  Another question that I get from time to time is how the casino business has evolved in the last 25 years. Fortunately, it has changed a lot; where there was opinion, now is data, where there was superstition, now is science. And the change has made the industry a much more interesting place to be if you are an intellectually open person; creating unforgettable customer experiences in brick and mortar casinos has become quite a mental challenge, with the ever-increasing competition of the digital world, being able to give a reason to people to leave their houses has become really tricky. It is a daunting task, and that, in my opinion, is one of the most interesting things of coming to work into the land-based casino industry, it is becoming less routinary and more creative and that makes it much more attractive.
  A good example of an intellectual open person is Mr. Antonio Sanchez, the current General Manager of Casino Palma de Mallorca in Spain, now he is around 58 years old; he is a very innovative and creative manager and he was my boss in 2005. An “intellectual open person” is the kind of person who questions how things are done, and always open to doing things in a different way to challenge the status quo, looks for new and creative ways to solve old problems. He/she is not limited by tradition.
 ・ ・ ・
Francisco Vidal is the former COO of Admiral Casinos in Spain (Novomatic Group). He has an extensive professional career of more than 20 years in the gaming sector, serving as COO for some of the biggest international companies of the industry. Mr Vidal has been in charge of daily operations management for more than 40 casinos in Europe and America.

コメント

このブログの人気の投稿

ゲーミング・スタンダード協会 通信プロトコルに関するセミナー開催

アメリカに本拠を置く非営利法人インターナショナル・ゲーミング・スタンダーズ・アソシエーション( International Gaming Standards Association 、以下IGSA)は6月2日(太平洋標準時刻)、ゲーム管理システム(Game to System,以下G2S)についての ウェビナー (オンライン・カンファレンス)を開催。「G2Sシステムはどのようにゲーミング産業に価値をもたらしているか?」というテーマに沿い、ゲストスピーカーそれぞれの立場からG2Sのメリットを語った。 G2Sとは、EGM(電子ゲーム機)と自社システムの間で情報を交換するための、IGSA標準の通信プロトコル。ソフトウェアのダウンロード、リモート構成、リモートソフトウェア検証、ネイティブの組み込みプレーヤーユーザーインターフェイス(PUI)など、多くの高度な機能を可能にする。 ゲストスピーカーにゲーミング業界のスペシャリストとして、Paul Burns氏(Atlantic Lotteriesの戦略&マーケティング担当シニアマネジャー)、Erik Karmark氏(Western Canada Lottery CorporationのGaming and Operations担当バイスプレジデント)、Greg Bennett氏(Alberta Gaming Liquor & Cannabisの技術製品&コンプライアンス担当シニアマネジャー)を招へい。IGSAのMark Pace氏(ヨーロッパ担当マネージング・ディレクター)がモデレーターを務めた。   VLT(ビデオ・ロッテリー・ターミナル)とスロットマシンのシステムと機器の統合に携わってきた立場から、Greg Bennett氏は、「G2Sプロトコルはカジノ管理委員会に於いて認証許可を受けており、これを使用することで得られた最大のメリットはゲーム機器に情報をダウンロードできること」だと述べた。 「ゲームのダウンロード、OSのダウンロード、請求書アクセプターのダウンロード、カードリーダー、さらにはプリンター等々。非常に広い管轄地区内のすべての場所に、技術者が物理的に出かけてソフトウェアをアップグレードするとしたら数カ月はかかるであろう作業が、数時間でできる。これによりソフトウェアの更新をより...

マルハン 2019年度連結業績は減収減益

マルハンの2020年3月期通期(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結業績は前年同期比2.6%減の1兆5094億5400万円、営業利益は同4.5%減の320億9000万円の減収減益。経常利益も同11.3%減り344億1700万円だった。6月5日に同社WEBサイト上で公表された。 売上高営業利益率は2.1%、売上高経常利益率は2.3%。総資産は6229億6900万円で、総資産経常利益率は5.8%。自己資本比率は48.5%、流動比率は165.5%。 The biggest company with sales in the Pachinko industry Maruhan's net sales* fell by 2.6% year-on-year to 1,509 billion yen (US$14b) in fiscal 2019. Operating profit decreased by 4.5% to 32 billion yen (US$300m) , ordinary income decreased by 11.3% to 34.4 billion yen (US$322m) . Maruhan's return on total assets ratio is 5.8%, capital-to-asset ratio is 48.5%. note) In the pachinko business, 'sales' or 'revenue' means pachinko/pachislot players' gross pay-ins, gross betting-amounts. It's not the same meaning of  'revenue' in the casino industry.   [関連記事] ダイナム 2020年3月期連結 3期連続増益 〔May 28, 2020〕 マルハン 中間決算は減収増益 〔December 10, 2019〕

大阪・夢洲IR RFCにMGM、ギャラクシー、ゲンティンが提案提出

人工島・夢洲での統合型リゾート(IR)開発の準備を進めるために大阪府・市が事業者に具体的な事業コンセプトの提案を募集した結果、MGMリゾーツ・インターナショナル(アメリカ)、ギャラクシー・エンターテインメント(香港)、ゲンティン・シンガポール(シンガポール)の3事業者がコンセプトを提出したと日本経済新聞が報じた。 事業コンセプト募集(Request for Concept、RFC)の名称は「(仮称)大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業」で、4月24日に要項が公表され、5月24日までの受付期間内に、MGMリゾーツ・インターナショナル/オリックス株式会社、ゲンティン・シンガポール・リミテッド、ウィン・リゾーツ・リミテッド、メルコリゾーツ&エンターテインメント リミテッド、ラスベガス・サンズ・コーポレーションの他2社(名称非公表)の7社が参加登録していた。 横浜市が8月22日にIR誘致を発表した後、ラスベガス・サンズ、メルコリゾーツ&エンターテインメントの2社が大阪からの撤退を表明していた。 このRFCへの参加は、今後の大阪府市による「実施方針」策定後に実施される民間事業者の公募・選定(Request for Proposal、RFP)参加の条件ではないが、実質的にはRFP参加事業者は上記3社に絞られたと見られている。 [参照] 大阪府 「(仮称)大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業」のコンセプト募集について [関連] メルコ 夢洲IR「事業構想公募」への参加中止 〔2019-09-18〕 千葉市 IRに関する情報提供の分析支援業務の入札募集開始〔2019-09-05〕 宮城県 IR誘致は未定 2020年3月の調査結果で判断〔2019-08-21〕 千葉市 IR(統合型リゾート)に関する情報提供依頼〔2019-08-17〕 和歌山県 IRシンポジウム開催 - 県民に和歌山IR構想を説明〔2019-08-26〕 佐世保 IR誘致に向け地域企業向けセミナー開催〔2019-08-27〕 横浜市 IR誘致を正式表明 ~カジノ事業者の関心は大阪から横浜へ〔2019-08-23〕 横浜市 IR誘致 今週にも表明か 2億6000万円の補正予算案を提出する方針〔2019-08-19〕 大阪府・市 夢洲IRの2024年開業目指しIR事業コン...

横浜市 IR誘致を正式表明 ~カジノ事業者の関心は大阪から横浜へ

横浜市は8月22日、IR誘致を推進する意向を正式に表明した。9月の議会にIR誘致準備のための補正予算案を上程すると見られる。 カジノ事業者大手のラスベガス・サンズ社は8月22日、横浜市がIR施設を誘致する方針を固めたと発表したことを受け、「大阪でのIR参入機会を探らない」と横浜市にコミットする表明した。

パチンコホール来店客の44% 「2日に1回以上」遊技 一部ファンへの依存度の高さ鮮明に

一般社団法人 日本遊技関連事業協会は4月3日、2019年11月に実施した2019年度の「パチンコ・パチスロファンアンケート調査(ホール来店客調査)」の結果の要約版を公表した。 本調査は例年実施されているもので、全国の日遊協加盟企業の有するホールおよび九遊連青年部加盟ホールの来店客に店内で実施したもの。本調査の母集団は「来店している遊技客」であり、回答者の偏りを避けるために、実際の来店者の性・年代構成比、パチンコ・パチスロプレー客構成比にできるだけ近くなるように配慮し、1ホールあたり約20人に実施した。合計30法人、162ホールの協力により来店客2811人から回答を得た。ただし、集計にあたっては、性・年代構成比を変更する補正がなされている。※末尾を参照 同調査の報告書要約版によると、ホール来店客のパチンコ・パチスロ遊技時の1日あたりの平均的な使用金額(直近3カ月の平均)は、「1万円~3万円未満」が最も多く40.3%。「5000円未満」は13.5%、「5000円~1万円未満」は20.0%。「3万円~5万円未満」は16.9%、「5万円以上」は8.3%だった。 来店客の最も多くを占める平均「1万円~3万円未満」使用するプレイヤーの年代構成比で最も多いのは60歳以上で28.4%。次いで40代で22.5%。18歳~29歳はわずか12.8%。 ※年代の構成比については末尾の注釈を参照 1回あたり平均の使用金額が「5万円以上」のプレイヤーの年代構成比を見ても、最も多いのは60代以上で26.7%、次いで40代で26.0%。18歳~29歳の構成比はわずか12.2%だと報告している。 ※年代の構成比については末尾の注釈を参照 来店客の半数は使用金額の上限を決めておらず、「1日単位で上限を決めている」プレイヤーは29.1%。1回あたり平均利用金額が「5万円以上」のプレイヤーでは75.1%が使用金額の上限を決めていない。 来店客のヘビーユーザー割合の高さも明らかになった。店内にいるプレイヤーの44%は「2日に1回程度」より高い頻度でホールに行っていて、「ほぼ毎日」の頻度で通っている層が26.8%。使用金額別にみると、1回あたり平均使用金額が「5万円以上」層の来店頻度が最も高く、55.7%が「2日に1回程度」より高い頻度でホールに行っており、40....