中央競馬を例に挙げれば、そもそも2019年の時点で売上(発売金)に占める「電話・インターネット投票」の割合が70%(約2兆円)に達しており、2020年にはこのオンライン経由の売上(売得金)が35.6%も増えたことが年間売上の増加に大きく寄与した。2020年の発売金に占めるオンライン販売の割合は推計92.6%。
経済産業省が公表している、サービス産業の活動を指数化した「第3次産業活動指数」にもこの状況は表れている。
この活動指数は景気動向を捉える指数として広く認識されている指数のひとつで、2015年平均を基準(=100)とした2020年6月の第3次産業総合の指数値は86.4と大きく落ち込んでいた。しかしこれ以降は5カ月連続して上昇して10月の指数値は98.3へと回復し、この時点では「持ち直している」と判断された。10月までの活動指数の上昇は、緊急事態宣言が発出されるなど抑制されていた社会経済活動が6月に緩和され、かつ、政府のGoTo事業など需要喚起策も功を奏したことなどが原因と考えられる。
2020年の各公営ギャンブルの活動指数に着目すると、いずれの公営ギャンブルも3月に大きく落ち込んだが、競輪を除く3種目は4月から持ち直した。無観客で開催を続けた競輪、競馬、オートレース、競艇いずれもコロナ禍前の活動指数を大きく上回っている。特に顕著に上昇したのは競艇とオートレースだ。
一方で、パチンコホールの活動指数は4月-5月の緊急事態宣言解除の後も2019年を下回る数値で推移しており、7月以降、上向いていないことが見てとれる。
なお、第3次産業活動指数におけるパチンコホールの指数は、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査を基に作成している。これは売上高の大きい法人(保有店舗数は市場全体の約13%)を調査対象にして売上高等の動向を調べているもので、市場全体の縮小傾向を表しているものではなく、調査対象に選ばれている法人の営業中店舗の収益力の推移を表していると言える。
by Tsuyoshi Tanaka
コメント
コメントを投稿